さわらび家飲み塾

~きょうの気分は?~

イリューシンと機関銃

吉岡です。 

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メキシコへ同行させていただいた阿川部長から、30年前のブルガリアの第1期工事のとき、現地工事の指導員(スーパーバイザー)を統括していた伝説のFM(フィールド・マネージャー)、山西さんを紹介された。 

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そして、その山西さんから、何かの参考になればと、その頃つけていた日記を貸していただいた。以下がその抜粋である。

ブルガリア80's 山西の日記(1) 1983年3月28日 

成田空港からモスクワ経由でソフィアへ向かう。ブルガリア行きの航空券は客先(ブルガリア)からの支給だから、ソ連経由と言う一風変わったルートになる。

工場の久保田さんと一緒だ。モスクワへ向かうアエロフロート便の機種はソ連製のイリューシン、旅客機にも拘わらず機関銃を装備しているという噂が囁かれている。まあ、そんなとは有り得ないと思うが。

モスクワ、シェレメチェボ空港に到着。今日はソフィアへのバルカン・エアー・ラインズの連絡便はないので空港で一泊。空港内のホテルに向かうバスを、指定された場所で待っていると、制服制帽の軍人がやって来て「パスポルト」と言う。言われるままにパスポートを見せると、軍人は久保田さんと私のパスポートを取り上げて去って行った。

何度も呼び止めたが聞く耳を持たず。我々のスーツケースもガラスの壁の向こうに見えているがピックアップできない。極めて不安だ。そのうち、迎えのバスが来て乗り込んだが、乗客は二人だけ。やがて、ホテルに到着。まるで、安普請のアパートのようだ。

レセプションとおぼしきところには、おばさんが一人。キィーをひとつ渡された。もうひとつ要求するが、おばさんは肩をすくめ両手を拡げるだけ。いつまで経っても押し問答で、一向にらちが明かない。仕方なく、二人一緒の部屋に宿泊だ。

不満だが諦めて、荷物運搬用のようにだだっぴろいエレベーターで三階へ。降りると、エレベーターの正面に、ぶくぶくに太ったおばさんがパイプ椅子に座っている。手を伸ばして来る。鍵を見せろと言っているらしい。見せると、顎で左を示す。

部屋に入り、久保田さんにシャワーを浴びるように勧めて、テレビでも見ようと部屋の中を見回すがテレビはなく、ラジオが置いてあるだけ。仕方なくラジオのスイッチを入れると、ロシア語で何か喋っている。局を変えようとつまみを回してみる。つまみはぐるぐる回るが、ただそれだけでロシア語の喋りは変わらない。

バスルームの中から久保田さんの声がする。バスタブの栓がないらしい。シャワーだけ浴びて久保田さんが出てきた。湯につかって、ゆっくりしたかったのにと言う声を聞きながら僕もシャワーを浴びた。

以下、吉岡記

ロシア、いやこの時期のこの国はまだソ連だったんだ。大変な国だが、今でも変わっていないのだろうか。何だか、食事が思いやられるなぁ。

きょうの気分は「ボルシチ」で。

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ノンアル気分でした。

   
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