ピカピカの靴 ~メキシコ物語②~
吉岡慎一郎です。
ロビーに8時30分集合。約束の刻限を3分過ぎました。船田先輩がまだ来ていません。今回のミッションのリーダー、阿川部長が腕時計を見ています。まずいなと思っていると、ようやく船田先輩が現れました。
「遅れて済みません、やられました」と、靴を指さしています。ピカピカに黒光りしています。
「あはは、君もやられたか。注意するよう言っただろう」と、阿川部長。二人の会話についていけないでいると先輩が説明してくれました。
ここメキシコでは、靴磨きの少年が通りすがりの人の靴に靴墨を塗りつけてしまうのだそうです。靴墨をつけてしまえば、もう靴を磨いて貰わざるを得なくなるからです。なるほど、なかなか賢い。しかし、感心している場合ではない、用心しなければ。
客先のビルへ向かうタクシーの中で先輩にきのうの女性のことを訊いてみました。男性が勤めている会社に連絡をとり、メキシコでの連絡先を調べているとのことでした。
客先との打ち合わせは順調に進みました。阿川部長の英語での概要説明が終ると、次は建設スケジュールの説明。私の担当です。英語には少々自信があったのですがなかなか思うようには話せませんでした。
打ち合わせのあと、阿川部長が、言いたいことの半分も話せなかったと仰ったのには驚きました。あんなに堂々と話されていたのに。明日は太平洋岸の建設予定地の視察です。小型のプライベート・ジェットで二時間弱のフライトだそうです。
この日の夕食は直径50㎝もあろうかという鍋で炊き上げたパエリア。異国二日目、まだまだ緊張とけないきょうの気分は、マルガリータ。
続きはまた、To Be Continued・・
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