お風呂代?
吉岡です。
ブルガリアとの技術打合せが終わりました。明日は、ブルガリアのミッションが帰国します。急きょ、送別会に出るように言われました。大泉課長が体調不良で送別会に出席できなくなったので、代わりにとのことです。嫌だったのですが、仕方がありません。不承不承ながら、出席することにしました。
玄関ロビーのベンチに座って待っていると海外営業部の大塚君がやって来ました。商社の紀藤重の宮沢さんが一緒です。「例の雄琴温泉の接待費用はどうしたんですか」と、宮沢さん。雄琴と言えば、あの歓楽街ですよね。「領収書を貰ったそうですよ」と、大塚君。「え?領収書?で、但し書きはどうしたんですか?」「お風呂代で」「あはは、お風呂代ですか。それはストレートですね」と、宮沢さんが笑っています。
ホテルでミッションの幹部をピック・アップ。タクシーが止まったのは高そうな店です。今夜の通訳は契約担当のボテヴァ。別格で技術打ち合わせには関与しません。ベテランで熟練した女性通訳です。ウォッカで鍛え上げた人達の飲みっぷりはなかなかのものです。
「踊りたいわ、そう、お相手は吉岡さんがいいわね」ボテヴァが手にしたグラスを挙げて僕に笑いかけて来ました。「おい、吉岡君、ボテヴァさんのご指名だ」海外営業部の二木部長がにやにや笑っています。
自慢ではありませんがダンスなんかしたことがありません。高校時代のフォークダンスの授業のときも嫌々やっていて、先生から吉岡、真面目にやれと怒鳴られた記憶があります。
「ぎゅっと抱きしめて腰を振っていればいいんだから、さあ早く行った、行った」と、急き立てられます。仕方なく手をとって踊りの真似事を始めるとボテヴァが僕の耳元で囁きました。「嫌々踊っているわね」見事見抜かれました。
そんなきょうの気分は「馬刺し」に「富翁 大吟醸純米 吟麗」で。
やわらかい馬刺しで冷酒が進みます。
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