奈良にはふるき仏たち
標野茜です。
10月23日は霜降(そうこう)でした。暦の上では、冬はすぐそこです。15日後には立冬を迎えるので、秋も、もう晩秋です。
霜降とは、読んで字の如く霜が降りるという意味ですが、この季節に霜が降りるところはまだ多くないと思います。とは言え、朝晩は空気もひんやりと澄み、耳を楽しませてくれた秋の虫たちもそろそろ泣き止む頃です。
霜降中の七十二候は、
霜始降:しもはじめてふる
霎時施:しぐれときどきほどこす
楓蔦黄:ふうかつ、きなり です。
” 秋深き 隣はなにを する人ぞ ” 松尾芭蕉ですね。
" 鐘つけば 銀杏ちるなり 建長寺" 誰の句か分かりますか。子規の親友で、文豪。もう、お分かりですね。そう、夏目漱石です。漱石は俳句に関しては子規の弟子でしたが、この句に関しては漱石が先に読み、子規に見せていますから、子規が漱石の影響を受けたのかも知れません。
" 菊の香や 奈良には古き 仏たち" もう一句、芭蕉ですね。
もう、何年前になるのでしょうか。秋の日の午後、陽も傾きかけた頃、私は法隆寺にいました。そのとき、私の隣には、私が心から尊敬していた男性がいました。その方と一緒に拝観したほの暗い金堂の釈迦三尊像は今もはっきりと目に焼き付いています。
その男性は、その翌年に交通事故で亡くなりましたが、法隆寺を思い出す度に心に蘇ってきます。
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「丹後のばら寿司」はその方が好きなものでした。
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