ブルガリア物語 ④~首を横に振るとイエス?~
吉岡です。
今日は、ブルガリアのミッションの工場見学の日です。午前10時から始まり、昼休みを挟んで午後3時まで工場を見て回りました。会議室に戻って来ましたが、みんな相当疲れた顔をしています。
「本日は、我々の工場へようこそおいで頂き、有難うございました」工場長の挨拶を通訳の藤崎さんがロシア語に訳しています。みんな藤崎さんを見ています。そこへ、女性事務員が三人、お茶を運んで来ました。日本茶です。
「それでは、そろそろ質疑応答に入らせていただきます」PE(プロジェクト・エンジニア)の大泉課長です。「質問のあるかたは挙手願います」見渡しますが、誰一人手を挙げる人はいません。「どんなことでも結構です。質問のあるかたは、いらっしゃいませんか」みんな、判で押したようにうつむいて押し黙っています。
その時です。ブルガリアのミッションの団長のゲオルギエフさんが立ち上がりました。ものすごい勢いです。この人、身の丈190㎝以上、体重は100㎏を優に超えているという偉丈夫です。顔は真っ赤です。昔の人が西洋人を赤鬼と呼んだようですが、さもありなん。
ゲオルギエフさんが何か言いました。ブルガリア語だから意味は分かりません。隣に座っている藤崎さんが、独り言のように呟いています。「質問がないということは、100%分かっているか、全く分かっていないかのどちらかだ」なるほど、その通りだと思いました。沈黙は続きましたが、最前列に、一人盛んに頷いている人を見つけました。
「あの人は、いけるんじゃ?」と、藤崎さんに訊いて見ました。「いいえ、ブルガリアでは首を縦に振るとノーです。その代わり、首を横に振るとイエスですが」
ええぇっ、嘘でしょう。ところ変われば・・・ですね。
「今日はお疲れでしょうから、ゆっくり休んで質問を整理して置いて下さい。質問は明日のミーティングで受け付けます」PEの大泉課長が、なんとかうまく纏めました。藤崎さんが通訳しています。
きょうの気分は「肩ロースのステーキ」に「にんじんのラペ」と「マリー・ルイズ・パリゾ・カベルネ・ソーヴィニヨン」
250mlの小さなボトルです。ミディアムボディですが、しっかりとした風味豊かなワインです。OGビーフにも良く合います。
<ブルガリア語 ワンポイント>:Да. (ダ) はい、не. (ネ) いいえ
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