ブルガリア物語 ①~ブラゴダーリア~
吉岡です。
メキシコから戻って、出張報告を纏めたり後任への引き継ぎをしているうちに結構な日数が経ってしまいました。昨日、打ち合わせのために、ブルガリアのミッションが来日しました。
ブルガリアとの技術ミーティングに出席するように大泉課長から指示されました。しかし、まだ契約書もろくに読んでいませんし、技術仕様書も見ていません。
ミィーティング・ルームに入ると煙草の煙が充満しています。煙草を喫わない僕には少なからず不快です。13時。昼休みが終わりミーティングが始まりました。ミィーティングは三つのグループに分かれて行われています。
「吉岡君、このグループで頼む」と、大泉課長から呼ばれました。鋳造(鋳物(いもの)を造ることです)グループです。まあ、はっきり言って単なる通訳です。契約書も技術仕様書も頭に入っていない訳ですから。
しかも、この鋳造グループには専門の通訳がついています。商社が探してきたロシア語の通訳だそうです。もちろん、ブルガリア語のできる人材を探したのですが、結局そういう人は見つからなかったそうです。ブルガリア語とロシア語はよく似ているらしいのですが、本当にブルガリア人はロシア語を理解しているのでしょうか。
ここで使われている言葉は、ブルガリア語、ロシア語、日本語ですから通訳としての僕の出番はありません。
ブルガリア語を耳にするのは初めてです。濁音の多い言語だと思いました。ガギグゲゴ、ザジズゼゾ、ダヂヅデド、バビブベボ、こんな音が飛び交っています。
会話が途切れた時に、ブルガリア語、いやロシア語の通訳の藤崎さんに訊いて見ました。藤崎さんは僕より、5つ6つ歳上で頭は少々寂しくなりかけています。着ている紺色のスーツはちょっとよれよれです。でも、いい人のようです。
「有難うは、ブルガリア語でどう言うんですか」「ブラゴダーリアです」やはり濁音が多いですね。
「ペペルニック」ブルガリアの技術者が何か探しています。「灰皿ですよ」と、藤崎さん。
休憩時間が終わって会議が再会されました。今日は、初日なので、軽く顔合わせと言うところです。
日常生活でブルガリアを身近に感じることは、今まであまりなく、強いていえばヨーグルトでしょうか。1970年代に明治がブルガリアとの技術提携でヨーグルト菌が海を渡ってきたとのことです。懐かしい。
きょうの気分は「豚しゃぶのトマト&玉ねぎサラダ」に「ワイン」
<ブルガリア語 ワンポイント> Благодаря!(ブラゴダーリア)有難う
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